まだまだ暑い日が続きますね。
宮崎を拠点にグラフィックレコーディングをしているワカツタの小川です。
子どもたちの夏休みと重なった8月。
お盆には実家の大分へ帰り、家族との時間も過ごしました。
仕事では、これまでに描いたものを仕上げたり、あとから読む方へ向けて整理したりする時間が多い月でした。
川崎のビジョンマップが完成し、京都で描いたグラレコは、報告に使える形へ。
7月に関わったNHKのラウンドテーブルも、放送で紹介されました。
描いたものが、誰かの手に渡ったあとにも役立つように。
そんなことを考えながら進めていたお仕事と、地域での対話や学びを振り返ります。
8月のお仕事
川崎の未来を、一枚の絵に|ビジョンマップが完成しました
6月から取り組んでいたビジョンマップが、8月に完成しました。
「川崎を東南アジアのハブに」。
長年温めてこられた構想を、多くの人と共有できる一枚の絵にするお仕事でした。
羽田空港に近い川崎に、いろいろな国の人と文化が集まる玄関口をつくる。
ご依頼者が一市民として思い描いてこられた川崎の未来を、絵にしていきました。

宮崎と川崎をつなぎ、打ち合わせから納品まですべてオンラインで進めました。
お話をうかがい、広報誌のコラムも読みながら、構想への理解を深めました。
建物や乗り物のモチーフは、写真つきの確認シートで一つずつすり合わせました。
何を描くかだけでなく、それが構想の中でどんな意味を持っているのか。
途中の絵を見ていただきながら、確かめていきました。

線画は私が担当し、着彩はパートナーのイラストレーターの方とチームで制作。
一緒に制作する中で、線だけでは伝わりきらないこともあると気づきました。
地名を書き込んだ図を用意し、残したい線や、それぞれの場所に込められた意味も共有しました。

色が入ると、線だけだった街に、風景の厚みが生まれました。
自分ひとりでは出せない表現が重なる、心強さも感じました。
日本語版と英語版を用意して、日本のみならず様々な国の方にも見ていただけるように。
ご担当の方からは、あたたかみのある仕上がりに感激したとのご感想もいただいています。
長く言葉で語られてきた構想が、目で見て共有できる一枚になる。
この先、どんな方がこの絵を見て、どんな話が始まるのか。楽しみにしています。
ご相談の内容や目指す表現に応じて、今回のように信頼できるパートナーと一緒に制作を進めることもあります。
大切にされている想いや、完成した絵を届けたい相手をうかがい、制作に関わるメンバーとも共有しながら形にしていきます。
京都大学|その場の記録を、あとから読める形へ
6月号でご紹介した、京都大学の国際研究のワークショップ。
8月は、そこで描いたグラレコを、報告に使える形へ整理していました。
議事録と描いたグラフィックレコーディングを照らし合わせ、話題のまとまりごとに分けて、発言者や色分けの意味を添えていきました。
先生方に確認していただけるようわかりやすくA4用紙8枚分の確認シートにまとめたりしています。

会場にいた人には分かることも、あとから読む人には、説明が必要なことがあります。
誰の話なのか。どの話題とつながっているのか。
その手がかりを、少しずつ補っていきます。
その場にいなかった人にも、話のつながりをたどれるように。
整理するときには、お話の意味を私の解釈だけで決めてしまわないことも大切にしています。
どこを補い、どの部分を確かめていただくか。
打ち合わせで相談しながら進めました。
ご紹介できる形になったら、改めてお伝えしたいと思います。
NHK宮崎放送局|住み慣れた地域で、暮らし続けるために
7月にグラレコを担当した「ミヤザキ未来ニュースラボ」の様子が、NHK宮崎で放送されました。
放送日は8月20日・27日と、月をまたいで9月4日。
7月号で少しご紹介した対話について、ここで改めて振り返ります。
7月11日、私が担当したテーブルで話し合ったのは、宮崎市の生目台団地の「地域の足」についてでした。
車を手放したら、買い物や通院はどうするのか。
住民の方の悩みを、行政や交通に関わる方、研究者、学生のみなさんが一緒に考える場でした。

この日、私が大切にしていたのは、みんなが話の流れを見ながら、次のことを考えられるように描くことでした。
いま、どんな悩みが出ているのか。どんな案が出て、何が課題になっているのか。
話が行き来しても、それまでのやり取りを振り返れるように、言葉のつながりを模造紙に描いていきました。
バスの便を増やすのは難しい。では、ほかにどんな方法があるだろう。
地域の支え合いや、もっと小さな範囲での移動の仕組みへと話が広がる中で、「この時間なら、私もできます」という声も出てきました。
一人の悩みに、それぞれの立場からできることを持ち寄る。
こういう対話の場にご一緒できることを、うれしく思います。
なかでも心に残ったのは、住み慣れた場所で、この先も暮らし続けたいという想いでした。
大分にいる両親のことや、いつか年を取る自分のことも重なって、私にとっても遠い話ではありませんでした。
その想いを描こうとしたとき、人物の表情だけは描ききれませんでした。
故郷への愛着も、離れなければならないつらさもある。
その時にどんな表情になるのか、一緒にみなさんと考えてみたいと思い、表情は描かずそのままおいています。

描いたものを見返すと、出てきた案だけでなく、その奥にあった願いも思い出します。
話し合ったことと、その人が大切にしていること。
どちらも受け止めながら描いていきたいと、改めて感じた時間でした。
地域のなかでも、描いていました
仕上げや整理に向き合う時間が多かった8月ですが、学びやイベントでは、その場で話を聞きながら描く機会もありました。
8月27日は、昼と夜、二つの場でグラレコを描きました。
好きなこと・仕事・暮らしを考える|MOCの対話会
お昼は、MOCの対話会へ。
テーマは「好きなこと・仕事・暮らしのバランスを考える」。
参加者のみなさんの言葉を聞きながら、話のつながりを模造紙に描いていきました。

好きなことと仕事、暮らしをどうつなげるか。
模造紙には、一人ひとりの考え方や、大切にしていることが並びました。
話し終わったあとにも、ほかの人の言葉をたどりながら、自分のことを考えられる。
そんなふうに見返せる一枚になっていたら、うれしいです。
一人の悩みを、みんなで考える|経営戦略模擬会議
夜は、宮崎県中小企業家同友会の「経営戦略模擬会議」へ。
報告者は、7月にホームページ制作でご一緒した、株式会社LINTO代表の竹本加奈さんです。
「一人体制から組織へ」をテーマに、竹本さんの事業と悩みを、参加された経営者のみなさんが一緒に考える2時間でした。
その報告と、会場から出た問いを、iPadで一枚にまとめました。

ホームページ制作のときには、事業の全体像を一緒に整理していました。
そのときにうかがったお話が頭の中にあったので、この日の報告もすっと入ってきました。
一度ご一緒した方の事業を、今度は経営者のみなさんとの対話を通して描く。
前のお仕事で知ったことが、次の場でも役に立つ。
続けて関わらせていただけることの、うれしさを感じました。
8月の学び
描くことを、一緒に考えるオンライン報告会

8月21日の夜は、「2035年のビジュアルプラクティスを考える公開リサーチデイ」のオンライン報告会と対話会に参加しました。
グラレコなどの実践を、研究の視点からも考える場です。
この日は、Zoomのチャットで運営をお手伝い。
「分けること、つなげること」や、描き手と聞き手の理解の違いについて、投げかけられた問いもギュッと。
描く側が分かりやすいと思ったものを、見る側はどう受け取るのか。
普段の仕事にもつながる問いを、ほかの実践者のみなさんと考える時間になりました。
社会的インパクトを考えた、2泊3日
8月28日から30日は、and publicのみなさんが宮崎でひらいてくださった「インパクトジャーニー」に参加しました。
生産者さんを訪ね、ブルーベリー葉の事業を題材に学んだ3日間。
事業を続けていくことが、地域や暮らしにどんな変化をもたらすのかを考えました。

「ロジックモデルって、そもそも何なんだろう?」
「社会的インパクトを生み出すことと、売り上げを上げていくことは、どうつながっているんだろう?」
そんな疑問から、一つひとつ教えていただきました。
ロジックモデルは、事業の活動が、誰のどんな変化につながるのか「願い」を図にして考えるもの。
目の前の取り組みと、目指す変化をつなぎながら、みんなで考えていきました。

ご一緒したみなさんの実践や経験も重なって、学びの渦の中を泳いでいるような3日間でした。

自分の仕事に置き換えると、描いた一枚が、その後どう使われるかという問いにつながりました。
会議を振り返るためなのか、参加していない人へ伝えるためなのか。
ご相談のときにも、絵を描く目的や、使っていただく場面をより丁寧にうかがっていきたいです。
学びをご一緒してくださったみなさま、ありがとうございました。
ブログでも、日々の実践を少しずつ
8月は、ジェスチャードローイングの記事と、7月号の月報を公開しました。
ジェスドロの記事には、普段続けている短いスケッチの練習と、砂糖ふくろう先生に名古屋でお会いできた日のことを書いています。
絵の練習に関心のある方に、読んでいただけたら嬉しいです。
日々の記録を見返すと、完成した絵からは見えない打ち合わせや、準備の時間も思い出します。
月報では、そうした制作の過程も少しずつお伝えしていけたらと思っています。
描いたあとの時間も、大切に
色を重ねて、お届けしたビジョンマップ。
話のつながりを整理した、京都のグラレコ。
放送で紹介された、ラウンドテーブルの記録。
振り返ると、8月は「描いたあと」に向き合う時間が多い月でした。
描いたものを、受け取る人が使える形で渡したい。
そのために、説明を添えたり、並べ直したり、一緒に確認したり。
そんな時間も、大切にしていきたいと思っています。
制作をご一緒した方、確認を重ねてくださった方、対話や学びの場で出会った方。
今月も、ありがとうございました。
9月以降の現場に向けた打ち合わせや準備も進んでいます。
また、ここでご紹介できるのを楽しみにしています。
お問い合わせ

「会議の中で出てくる、いろいろな意見を見えるようにしたい」
「大切にしている構想を、一枚の絵で伝えたい」
「話し合ったことを、参加していない人とも共有したい」
ワカツタでは、対話をその場で描くグラフィックレコーディングや、構想・理念を絵にするビジョンマップを制作しています。
描いた記録を、あとから共有しやすい形へ整えるご相談もお受けしています。
まだ、どんな形にするか決まっていなくても大丈夫です。
誰に何を伝えたいのか、どんな場で使いたいのかをうかがいながら、一緒に考えていきます。
特に、いま関心があるのは、こんなお仕事です。
ただ記録するだけでなく、何かアクションが生まれる場への、グラフィックでの伴走。
ファシリテーターやコンサルタントの方々との、チームでのお仕事。
VISIONが伝わりにくい中小企業のみなさまへの、ヒアリングと可視化。
これまでのキャリアを生かした、行政分野でのワークショップのサポート。
宮崎を拠点に、九州・全国への出張、オンラインでの制作に対応しています。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
また来月、お仕事と近況をお届けします。



