2026年5月1日、宮崎市の高千穂通りにあるコミュニティ拠点「MOC(宮崎オープンシティ推進協議会)」の1周年記念イベント「MOCはじまりマルシェ」でグラフィックレコーディングを担当させていただきました。
「はじまり」をテーマにこれまで、さまざまな挑戦や出会いを積み上げてきたMOCの節目に、1日を1枚のグラフィックに収めながら、改めてこの場所のすごさをじんわりと感じた1日でした。

MOCってどんな場所?
MOCは宮崎市の目抜き通り・高千穂通りのビル1階にある産官学民のコミュニティ拠点です。

1年目は宮崎市役所内からはじまり、現在の高千穂通りへ移転してちょうど1年が経ちます。
この1年で開催したイベントは180回、個別面談634件、延べ6,000名以上の方がこの場所を訪れています。
「はじまりマルシェ」という形でその節目をお祝いするこの日には、今までMOCに関わってきた多くの方々が集まりました。

グラフィックレコーディングの準備 — 高千穂通りの楠並木から着想した木のモチーフ
今回のグラレコのモチーフとして選んだのは、大きな木です。

MOCのある高千穂通りには、楠並木がいつも青々と風になびいています。
「はじまり」というキーワードと重なったとき、真っ先に浮かんだのがこのクスノキでした。
芽吹いて、葉になって、また季節をめぐって次の春に芽吹いていく。
生命エネルギーの循環が、1周年というお祝いのモチーフにぴったりだと感じました。
コミュニティマネージャーのみほさんとも相談しながら、A0の大きなパネルに縦に大きな木を配置。上半分に木のモチーフ、下半分に当日の各セッションの様子を描いていく構成にしました。
木の幹と青々とした背景はパンパステルで事前に描いて準備。当日は参加者の皆さんに「あなたがこれから始めたい事は?」という問いへの答えを葉っぱ形の付箋に書いていただき、木の葉として1枚のグラフィックに集めていく設計にしました。
当日の様子 — セッションごとに描いたこと、感じたこと
Session 1 成果発表ステージ —「音色みたいな場所」
イベントのはじまりは、宮崎商業高校の生徒さんによるチェロの演奏でした。
弦楽器が奏でるハーモニーがMOCの空間に広がっていく中、そのメロディーに乗せて線を引いていきました。音のリズムを手に感じながら、形に乗せていく。それがこの日の最初の1本でした。
MOCのスタッフの皆さんがこれまでに積み上げてきた活動、インターン生の学び、各イベントに込めた想い。お話を聞きながら、ふと気づいたことがありました。
コミュニティという場所は、1人で何かをやろうとしてもなかなか完結しない。でも、いろんな人たちの交わりが重なっていくと、まるで音色のように、この場が生まれていく。
MOCって、音色みたいな場所なんだなと感じました。

Session 2 企業と地域の挑戦ストーリー
MOCのスポンサー企業の皆さんから、地域でどんな形で挑戦してきたかというストーリーをお聞きしました。
社会貢献活動が事業領域へと広がっていく過程、地域資源を活かしながらお客さまの困り事に役立つ視点へチェンジしてきた経緯。そして地域で挑戦を続けるために、主体性をいかに引き出すか、聴き合える雰囲気をどうつくるかというお話。
「企業」と聞くと距離を感じがちだけれど、やっていることの根っこは人間力と関わりしろ。
登壇者の皆さんのお話が、すごく心に響きました。

Session 3 交流のはじまり — マルシェタイム
おにぎり、コーヒー、オリーブオイルで揚げたおいしいドーナツが並ぶマルシェの時間。
グラレコを描きながら、会場のあちこちで生まれている声や声色を吹き出しの形で落としていきました。「初めまして」「久しぶり!」「こういうことやってみようよ」「最近は〜」「私の目標はね〜」。前向きな言葉が会場のいろんな場所から聞こえてきて、すごく楽しかった。
この時間でも葉っぱ形の付箋に「あなたがこれから始めたい事は?」を書いていただきました。ゴルフ、朝活、友達100人つくりたい、こんな人とつながりたい…。いろんな「はじまり」が木の葉として集まっていく様子を見ながら、描いている私自身もとても楽しかったです。

Session 4 ライトニングトーク —「みんなの一歩よりあなたの一歩」
MOCのアンバサダーの皆さんから、MOCと出会って自分がどう変わったかというお話がありました。物事のスピード感が上がった、視野が広がった、悩みやニーズに触れることで事業につながるきっかけをもらえた、1人で頑張るのではなく「共に進む」可能性が広がった、という声が印象的でした。
そして心に刺さったのは「人類のはじまりの1歩」というお話。抑えきれない好奇心と生存本能が、一歩踏み出す後押しになる。みんなの一歩よりあなたの一歩。全員が同時に踏み出すのではなく、好奇心と生存本能に突き動かされた1歩が、はじまりをつくっていく。そんな勇気をいただいた時間でした。

Session 5 つながりからはじまる宮崎の未来
宮崎って本当に変わっていくのだろうか。どこかに諦めのような雰囲気もあるのかもしれない、と感じることがあります。
でもこのセッションで話されていたのは、MOCがウチとソトの中間となる「混じわれる場所」であること。いろんな緩やかなつながりの中で、予定調和ではない何かが生まれてくること。想いと気持ちを掛け合わせることで、情熱が波及してプラスのスパイラルをうみだしていくこと。
描きながら感じていたのは、混ざり合い、折り重なり、練り込まれていくエネルギーのうねり。それが1本に収れんしていくようなイメージで、筆を動かしていました。

Session 6 MOC 3年目のはじまり
掛け合わせからイノベーションは生まれる。でも待っていても、なかなか生まれない。産官学民みんなが連携して、素敵な大人・挑戦する大人・ワクワクする大人と学生が触れ合うことで初めて刺激が生まれてくる。
そのために必要なのは、共創できる土壌ではないかというお話がすごく印象的でした。まじめさや誠実さだけでなく、ワクワクする気持ちがすごく大切なのかもしれない。みんなでふかふかな、栄養分が混じり合った土壌を一緒に作っていけたらと感じながら描いていました。

Session 7 クロージング —「誰かの一歩を待つより、まず自分の一歩を」
各理事の方々から、これまでの想いをお聞きしました。まちなみの変化を感じながら、関わりシロをMOCで作り続けてきた結果が今日この場所にある。あっという間の1年。ほこみちの活用も始まって、県内全体のエリアHUBへ。チェーンのようにつながりをつないできたMOCという場所の、これからの展望を聞かせていただきました。
そして心に残ったのはこの言葉でした。
「誰かの一歩を待つより、まず自分の一歩を踏み出す。」
始まりを支援してくれる場所がMOCなのかもしれないと、この1日を通じてあらためて感じました。

完成した1枚 — これまでの栄養が、1本の木になった
グラフィックレコーディングを描いているとき、事前に見立てはしても、出来上がった1枚がどんなものになるかは、正直描いてみるまでわかりません。
でも完成した1枚を改めて見て感じたのは、MOCに関わる人たちが1つずつ丁寧に積み上げてきたイベント、関わり方、コミュニケーションが、土の下の栄養分になっているということ。それがしっかりふかふかの土壌をつくって、今、太い木になっている。
この日よく出てきた言葉は「混ざり合い」「掛け合わせ」「ワクワク」「芽吹く」。たくさん描いたモチーフはうねりと混じり合い。それは皆さんの言葉からも、雰囲気からも、声色からも感じたことでした。
これからの始まりを支援できる場所として、もっともっとパワーアップしていくMOCを、これからも応援しています。

最後に
MOCの皆さん、素敵な1日をありがとうございました。一緒に構成を考えてくださったコミュニティマネージャーの美穂さん、ありがとうございました。
宮崎のどこかで「はじまり」を迷っている方がいたら、ぜひMOCという場所をのぞいてみてください。きっと、あなたの一歩を後押ししてくれる何かが待っていると思います。

こんな場に、いさせてもらえることが、ありがたい。
はじめましての挨拶が飛び交って。
あちこちで小さな輪ができて、ほどけて、また別の輪になって。
そういう瞬間をグラフィックに残せる仕事をしていて、よかったなと思う。
これからも、こんなふうに素敵な輪(和)が広がる場のお手伝いができたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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