高校生向けアントレプレナーシップ教育の実践と成果|グラフィックレコーディングで可視化
2月22日、宮崎市の「若草HUTTE & co-ba MIYAZAKI」にて開催された高校生向けアントレプレナーシップ教育プログラムの成果報告会。このイベントでは、高校生たちがアントレプレナーシップをどのように身につけ、どんな学びを得たのかが報告されました。
私が担当したグラフィックレコーディングでは、その内容をリアルタイムで記録し、視覚的に整理しました。本記事では、報告会の要点をまとめるとともに、グラレコを通じて見えてきたポイントをお伝えします。
アントレプレナーシップ教育の意義

報告会の冒頭、宮崎大学地域資源創成学部の土屋先生より、アントレプレナーシップ教育の必要性と日本の現状について説明がありました。
アントレプレナーシップ教育とは、起業家的な思考や行動ができる能力を育む教育です。進路選択の枠にとらわれず、異なる視点で物事を考える力を養うことを目的としています。特に、日本はスタートアップの数が少なく、リスクを取って起業する文化が十分に育っていないと指摘されており、これを改善するために文部科学省もアントレプレナーシップ教育の推進を進めています。
アントレプレナーシップ教育は大学や高校だけでなく、中学校や小学校にも広がりつつあり、海外ではすでにカリキュラムとして取り入れられている国もあります。日本でも、宮崎大学をはじめとするアントレプレナーシップ学部や研究が進んでおり、教育機関としての役割が注目されています。
プログラムの実施内容と成果

このプログラムでは、高校生たちが実際に課題を発見し、ビジネスプランを考えることを中心に進められました。ワークショップ形式の学習を取り入れ、地域課題や観光ビジネスをテーマにディスカッションを行いながら、Feel & Think(感じて考える)を重視した1泊2日の合宿を実施。アイデアを形にする実践的なプランニングを行いました。
こうした取り組みを通じて、参加した高校生たちの起業家的思考が育ち、「会社員だけが選択肢ではない」「新しい挑戦として起業も面白い」という意識が芽生えたことが大きな成果となりました。また、チームでのアイデア創出や議論を経験することで、自己効力感が向上し、挑戦する姿勢が身についていったのも印象的でした。
報告会の議論と今後の展望
報告会では、プログラムの成果を振り返るとともに、今後のアントレプレナーシップ教育の方向性について示されました。実施したプログラムにより高校生たちの起業意欲が向上し、職業観にも変化が見られたことは大きな成果ですが、それをさらに発展させるための課題も浮かび上がりました。
「自由に発想させる方がよいのか、それとも地域課題などの制約を設けた方が効果的なのか?」
といったテーマ設定のあり方や、対象を中学生まで拡大し、早期からのアントレプレナーシップ教育を推進していく可能性についても示されました。
また、アントレプレナーシップ教育の事例として、
- 企業と連携した実践的なビジネスプログラム
- スタートアップの支援を受けながら起業体験をするプログラム
などが紹介されました。こうした取り組みは、将来的にアントレプレナーシップ育成やリーダーシップ発揮の場としても期待されています。
グラフィックレコーディングで伝えたいこと

今回の報告会の内容を一目で理解できるように整理するため、グラフィックレコーディングを活用しました。特に、高校生たちがどのような思考の変化を経験し、どのような学びを得たのかを視覚的に表現することを意識しました。
例えば、
- 起業に向けた成長を示すために、挑戦する姿を描くことで、教育の成果が伝わるよう工夫しました。
- ビジネスプランの構築プロセスや、ディスカッションで生まれたアイデアを矢印や図解を使って整理し、視覚的にわかりやすく表現しました。
こうした可視化によって、話を聞くだけでは捉えにくい要点を明確にし、参加者の理解を促進しました。
まとめ
今回の報告会を通じて、 アントレプレナーシップ教育の可能性を改めて実感しました。
高校生たちの挑戦が新しい選択肢を生み、未来を切り拓く力となることが伝わる意義深い報告会でした。今後も、教育現場での「伝わる可視化」を追求し、情報共有の支援を続けていきます。
今回の宮崎大学土屋先生の取り組まれているアントレプレナーシップ教育の取組や報告会の様子については こちら でご覧いただけます! ぜひチェックしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!