横浜市様が導入したグラフィックレポートの狙いと効果
今回は、横浜市 政策経営局 データ経営課様からのご依頼を受け、「データ経営への道」というグラフィックレポートを作成しました。
この取り組みは、横浜市様が推進している「データ経営」を庁内の職員に広めるためのもので、取組の全体像を把握・理解し、日々の業務を効果的に進める方向性について視覚的にわかりやすくまとめることを目的としています。
データ経営を推進するためには、データの活用の重要性やロジックモデルの活用法、達成したい目的などを全職員に理解してもらう必要があります。そのため、横浜市様は今回、グラフィックレポートを活用し、このメッセージを広く庁内に伝えようとしています。
横浜市のデータ経営に向けた取組を可視化する:グラフィックレポートの役割と意義
今回のグラフィックレポートでは、横浜市様が進めている「データ経営」のロードマップを示すために、取組の全体像を視覚的に整理しました。
レポートには、データを重視した検討〜実施〜評価に至る一連のプロセスを盛り込み、これらの取組が何を目指しているかを視覚的に整理しました。
これらの要素を通じて、横浜市様が目指すデータ経営のビジョンを明確に描き出し、市民生活の質向上に繋げるための取り組みを視覚的に表現しました。
このレポートを通じて、データ経営の意義が庁内で広く理解されることを期待しています。特に、データ経営の重要性を職員一人ひとりが認識し、その活用方法を具体的に学んでもらうことが目的です。
【グラフィックレポート】各要素に描かれた内容
1. 全体像を把握する:データ経営の出発点
概要
「全体像を把握する」ことは、データ経営を進めるための第一歩です。この要素では、施策の質向上や創造と転換を可能にするための視点を持つことの重要性を強調しています。
イラストに込めた意図
この要素では、人のシルエットを用いて「データを重視した検討」「経営サイクルの実践」を視覚的に表現しました。シルエット内でデータの重視がどのように経営サイクルに組み込まれ、施策の質向上に寄与するかを示すことで、全体像の理解を促します。
2. EBPMを理解する:データに基づく政策立案の重要性
概要
「EBPMを理解する」ことは、データに基づく政策立案と評価を行うための重要なステップです。EBPM(Evidence-Based Policy Making)は、エビデンスに基づいて政策を策定・実施するアプローチであり、施策の効果を最大化するための基本的な考え方です。
イラストに込めた意図
この要素では、歯車のイラストを使って政策目的と施策を結びつけるロジックモデルの構築を視覚化しました。
政策手段と政策目的の中央に「論理的つながり」の歯車を設置し、それを軸に施策の枠組みが形成される様子を描いています。また、アーチェリーのイラストは政策目的の明確化を示し、目標に向かって確実に施策が進むことを表現しています。
3. 政策・施策と日々の仕事のつながりを考える:現場への浸透を図る
概要
「政策・施策と日々の仕事のつながりを考える」ことは、データ経営を実現するために不可欠な視点です。この要素では、具体的な事業や日常業務がどのように政策や施策に反映されるかを明確にすることが重要です。
イラストに込めた意図
旗を掲げる手のイラストを用いて、政策・施策・事業のつながりを視覚的に示しました。旗には「政策」「施策」「事業」と段階的に分けられた要素を描き、それらがどのように連携し、具体的なアクションに繋がるかを強調しています。手が旗をしっかりと握っている様子は、施策が一貫して進むべき方向を示しています。
4. ロジックモデルを作成する:施策目的達成のためのフレームワーク
概要
「ロジックモデルを作成する」ことは、データ経営における施策の成功を確実にするための重要なステップです。ロジックモデルは、インプット(投入資源)からアウトカム(成果)に至るプロセスを視覚化し、それぞれのステップがどのように関連しているかを明らかにするツールです。
イラストに込めた意図
ロジックモデルの各要素を「手」のパーツに組み込むことで、データ経営における理解を実行に移す段階を象徴しています。手の各部分には、インプット(資源投入)、アクティビティ(活動)、アウトプット(成果)、アウトカム(結果)、インパクト(影響)を配置し、これらが一貫して連携している様子を矢印で示しています。さらに、各ステップには「SMART原則」や「PDCAサイクル」を組み込み、計画から評価までの進行と改善プロセスを視覚的に理解できるようにしています。
5. 横浜市民の安全安心な暮らしのために:データ経営の最終目標
概要
「横浜市民の安全安心な暮らしのために」という要素は、データ経営の最終目標を象徴しており、政策や施策の成果を市民の生活に具体的に反映させることを目的としています。この要素では、限られた経営資源をどのように効果的に活用し、政策の目標を達成するかを描いています。
イラストに込めた意図
この要素では、船をモチーフにして政策の進行過程や目標達成までのプロセスを表現しました。船が「政策施策の目的達成」という陸地を目指して進む姿を通じて、政策が目指すべきゴールに向かっていることを視覚的に伝えています。
- 事業の創造・転換は、船のエンジンとして描きました。エンジンは、政策を進めるための推進力を象徴しており、新たな事業の創造や既存事業の転換が、このエンジンによって政策目標に向けて船を前進させる原動力になるという意図を込めています。
- 限られた経営資源の効果的配分は、積み荷として描いたお金や乗組員がこれにあたります。これらは、ヒト・モノ・カネといった限られた資源がどのように効果的に配分されるかを表現しています。リソースが適切に配置されることで、船は効率的に目的地へ向かうことができるというメッセージを込めています。
- 施策の質向上は、船が進む航路そのものを、施策の質向上として表現しました。この航路は、より効率的で最短距離を表しており、政策の目標を達成するために、無駄のない進行が必要であることを強調しています。施策が効果的に実行され、目標に向かって確実に進む様子をこの航路で示しています。
- 政策体系のスリム化は、船全体をシャープなデザインにすることで表現しています。これは、政策や施策の複雑さを削減し、無駄を省くことで、効率的で管理しやすい運営を実現するという意図を持っています。シャープな船のデザインは、政策が抵抗なく、スムーズに進行する様子を象徴しています。
船が進む先には「政策施策の目的達成」を象徴する陸地があり、船がこの陸地に到達することで、政策目標が実現され、横浜市民の安全で安心な暮らしに貢献する最適な市政運営が実現されることを描いています。
まとめ
今回、横浜市様が導入したグラフィックレポートは、データ経営の重要性を庁内の職員に広く浸透させるためのツールとして活用される予定です。今後、グラフィックレポートの活用を通じて、データ活用の意義と具体的な方法が、より多くの職員に理解されることを期待しています。
このような取り組みを通じて、横浜市様が目指すデータ経営がさらに発展し、市民サービスの向上に寄与することを願っています。今回のレポートなど、横浜市様の取り組みについては、下記リンクからご覧いただけます。
最後までお読みいただきありがとうございました!