
2025年9月27日、NHK宮崎主催の防災ラウンドテーブルが宮崎大学で開催されました。
テーマは「防災」。行政・大学・地域の関係者が集い、有事の際にどう人を守るかを語り合う対話の場です。
この取り組みは、過去、京都や徳島でも開催されており、NHKのラウンドテーブルでは毎回グラフィックレコーディングが取り入れられています。
今回は東京、徳島からもグラフィックレコーダーにお越しいただき、私も含めて3名それぞれが、A/B/Cのテーブルを担当させていただきました。
前日からはグラレコを掲示するためのパネルや、機材の設営など皆様をお迎えする準備を行います。
防災を“共に考える”対話の場へ

今回、私はBチームのグラフィックレコーダーとして参加しました。
テーマは「自力で避難が難しい人たちをどう避難させる?」。
木城町で防災活動を続ける長島さんを中心に、地域住民・支援者・行政担当者が交わる濃密な対話が行われました。
身近にいる大切な「あの人」を思い浮かべながら、有事の対応を一緒に考える。
そんな視点から生まれる“共助”のアイデアが、テーブルの上で次々と広がっていきました。
「大切な誰か」を思い浮かべながら

災害が起こったとき、すぐに動ける人もいれば、そうでない人もいます。
身体の不自由な方、高齢者、支援が必要な人、ペットを手放せない人——。
“誰かを思い浮かべながら”考えることで、避難という言葉に具体的な輪郭が生まれます。
議論の中では、「助ける・助けられる」の関係を超えた
“共に助かる”ための関係性づくりの重要性が語られました。
日常の中に声をかけ合う関係をどう育むか。
災害が発生する事態を、非日常と捉えずに「普段」と「接続」すること、「繋げる」ことの大切さを感じました。
可視化が生む「理解」と「共感」

今回は皆様のテーブルで行われた対話を模造紙に描かせていただきました。
即時的に議論が絵として立ち上がることで、論点の整理や振り返り、深化に役立てることができます。
グラフィックレコーディングの役割は、単なる議事録ではありません。
発言の裏にある「想い」や「願い」をすくい上げ、図や色、文字の配置を通して
“意味の流れ”を見える化することにあります。
完成したグラフィックを囲みながら、
「こういう考え方もあったね」「この言葉、響いた」
と立ち止まって会話が続く瞬間がありました。
可視化は、対話を終わらせるのではなく、“もう一度始める”ための装置。
描いたあとに広がる対話こそ、グラレコの真価だと改めて感じました。
放送のお知らせ

このラウンドテーブルの様子が、NHK総合(宮崎県)で放送されます。
- 番組名:てげビビ!
- 放送日:2025年11月4日(火)18時10分〜/11月5日(水)18時10分〜
- 放送予定:グループBの様子は18時30分頃から
グラフィックレコーディングの視点から、災害時の「共助」の在り方を感じていただけたら嬉しいです。
身近なあの人を思い浮かべながら、「自分にできる備え」を一緒に考えてみませんか?
おわりに
ラウンドテーブルでの対話を通して、災害への備えは“個人の責任”ではなく、
“関係性のデザイン”なのだと感じました。
防災を「日常の会話」にすること。
その一歩に、グラフィックレコーディングが貢献できたなら幸いです。
ワカツタでは、行政・企業・地域など、
さまざまな現場で「見える対話」をサポートしています。
防災・教育・組織づくりの可視化に関心のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

